ロンドン発--いずれFacebookの力によって、大企業が自社のウェブサイトについて思い悩む必要がなくなる日が来るかもしれない。
この驚くべき可能性は(自己宣伝の面もあるが)、Facebook英国支部のコマーシャルディレクターStephen Haines氏が現地時間3月2日、当地で開催のTechnology for Marketing and Advertisingカンファレンスでの講演中に提示したものだ。Haines氏は実質的に、企業と顧客のコミュニケーションがFacebook上で極めて頻繁に行われるようになるため、企業ウェブサイトの必要性が低下すると主張している。
Haines氏は自身の主張の裏付けとして、Facebookユーザーが企業の「Like」(いいね!)ボタンをクリックした回数と、人々が1カ月にその企業のサイトを訪れた回数を比較した統計データを示した。Facebookの最大の広告主であるStarbucksの場合、その比率はLikeのクリック回数が2110万回だったのに対し、サイト訪問者は180万人だった。Coca-Colaでは2050万対27万だった。Oreoは1010万対 29万、Dr. Pepperは410万対32万5000となった。
Facebookはソーシャルネットワーキング分野において支配的地位を確立しており、広告主からもそれ相応の人気を得ようとしている。その Facebookが、商業活動の中心に自社がいる未来を望んでいるという話は、特に意外なものではない。Facebookの野望にとって良い兆候と言えるが、Haines氏の話は、Facebookを有効活用するためのヒントを求める多くのマーケッターの関心を引き寄せた。Haines氏によると、英国では膨大な数のFacebookユーザーが1日当たり平均28分を同サイト上で過ごすという。
同氏のアイデアは全く現実離れしたものというわけではない。結局のところ、多くの個人や企業が、一からすべてを構築するのではなく、既存のオンラインサービスに依存している。個人レベルでは、Googleの「Blogger」や米Yahooの「Flickr」などのツールの方が、カスタムビルドされたブログや写真共有サイトよりセットアップが容易だ。企業はFacebookを利用することで、膨大な顧客情報とコミュニケーションチャネルにアクセスできる。(後略)
-------------------------------------------------------------------------------------------------
米Facebookは3月8日、同社のソーシャルプラグインを使用する開発者向けにより高度な解析機能の提供を開始した。Facebookのソーシャルプラグインは自社サイトへの訪問者とFacebookとの橋渡しをするツールとして、何百万ものWebサイトに利用されている。
ソーシャルプラグインには、「いいね!」ボタン、おすすめ、アクティビティフィードなどがあり、開発者は自社のWebサイトにインストールするだけでサイトにFacebook機能を追加できる。こうしたツールは、Facebookの閉ざされた環境の外にも足掛かりを広げ、FacebookとWeb サイト発行者の両方にトラフィックの増大をもたらすべく、2010年4月に公開された。
Facebook Insights for WebsitesはFacebookが自社のページ向けに開発したリアルタイム解析機能の拡張版。開発者が自分の作成したコンテンツに対して人々がどのように反応しているのかを把握し、Webサイトの改良に活かせるようにするためのものだ。
開発者はInsightsを使用すれば、人々が自社のWebサイトにたどり着くまでに「いいね!」ボタンが表示された回数やクリックされた回数、記事が表示された回数やクリックされた回数を確認できる。
Facebookのソーシャルツールを使えば、Webサイト発行者とFacebook間のユーザー関与を促進できることから、最近では、Facebookのソーシャルツールにあわせてレイアウトの変更を行うWebサイトも増えている。
Facebookは今やソーシャルネットワークとしてだけでなく広告プラットフォームとしての存在感を強めており、売りたい商品やサービスを持つWebサイトはFacebookの6億人以上のユーザーに注目してもらおうと躍起になっている。
Facebook Insightsのエンジニア、アレックス・ヒメル氏によると、開発者はリアルタイムのデータを使って「いいね!」ボタンの設置がCTR(クリック率)に与える影響をテストしたり、記事のCTRが最も高いOpen Graphの画像を特定したりできるという。
その狙いは、開発者がこうした情報を使って「いいね!」ボタンを自社サイトでうまく活用し、理想としてはトラフィックと収益の増加につなげられるようにすることだ。
さらにFacebookはPopular Pagesを拡張し、人々が「いいね!」ボタンをクリックしたり、コメントしたり、シェアしたりている上位100ページが表示されるようにした。また WebサイトとFacebookで行われる対話について、それぞれ性別、年齢層、国、言語などの情報も提供されるようになっている。
「こうしたデータは個人を特定できる情報にはアクセスできない形で収集される」とヒメル氏は説明している。
同氏によると、さらにInsights for Websitesでは、Facebook上のコメントについても、コメントボックスの表示回数、コメント件数、記事へのコメントの表示回数、クリックしてWebサイトにアクセスした回数などが表示されるようになっている。
今回のアップデートの1週間前には、Facebookは開発者が自社サイトに関するコメントの表示やクオリティを改善するためのコメントボックスプラグインのアップデートを公開している。